4月17日には、2月17日に出させていただいた「平成日本のよふけ」スペシャル版に出させていただきました。場所は元赤坂2丁目にある明治記念館、憲法記念館の跡らしく、歴史を感じさせる重厚な建物ではあるのですが、あいにくこの日は、屋外の庭園での収録だったのです。夏場には「庭園ビアテラス鶺鴒(せきれい)」として開放されるこの庭も、曇り空ということもあってかこの日はまだ肌寒く、ついに我慢していた尿意に抗しきれなくなり、本番中であるにもかかわらず、「すいません!」と声を掛けて、トイレへスタスタと走る羽目になってしまいました。解放感に浸りながら、一人で気持ちよく放尿していると、いつの間にか音がダブって聞こえるようになったのです。怪訝に思ってふと横を見ると、いつの間にか、同じ出演者の日下公人さんが、トイレでも共演をされていたのです。小田原城攻めの終盤に、秀吉が家康を誘って連れションをして、関東移封を話したことで知られる「関東の連れション」ではありませんが、「良かった、抜けたのは自分だけではなかった」と安堵したのを覚えています。
5月11日には、新喜劇公演のために、モスクワ経由でロンドンへ向かいました。この公演は、ロンドン大学を出て吉本に中途入社した、澤昌平君の発案で、彼のお兄さんが当時ロンドンにいて、95年に彼の地で設立された映像会社「キメラフィルムスUK」の社長・手塚義治さんと交友があったことから、便宜的にキメラ社の中に「お笑い課」なる窓口を置いていただくことが出来たのです。新喜劇公演自体は15・16の両日とも、夜7時半から行う2公演のみだったのですが、私が公演より早くロンドンに向かったのは、プレイベントの一環として、12日にホアレ・メモリアル・ホールで夜の7時から行う講演会のためでした。さらに15・16の両日には午後1時15分から、ICAシネマで河内家菊水丸さんのミニライブと、映画「無問題」と「ナビィの恋」の何れかを、日を分けて上映するというのですから、もうゲップの出そうな、吉本色満載のメニューでしたね。
新喜劇の公演は、ロンドンの中心部、ウェストミンスター寺院の真ん前にあるウェストミンスター・セントラル・ホールで行われたのですが、開演の1時間半前には既に100人程の列ができていました。トミーズの漫才、ジョニー広瀬さんのマジックに続いて、いよいよ新喜劇。間寛平、池乃めだか、島木譲二、内場勝則、辻本茂雄、藤井隆、末成由美、島田珠代といったメンバーの繰り出すギャグに、場内は爆笑の渦に包まれ、ロンドン在住の方が「こんなにたくさんの日本人見たの、初めて!」とおっしゃったほどの盛況を博しました。
私は16日の公演を見ることなく、18日の12時からサウスタワーホテルで行う、大助花子劇団の記者会見に出るため、一行と離れて夜の便でヒースロー空港へ向かいました。ロンドン公演に続いて行われた、ニューヨーク公演には林社長に出ていただき、ロンドンまで迎えに来てくれていたチャーリー小林さんに、「ニューヨーク公演をよろしく」と後事を託したのを覚えています。
そうそう、実はこの後、明治記念館で連れションをした日下さんからお電話をいただき、31日に、日比谷セントラルビルの10階で開かれた「野外日下スクール」という番組で対談をさせていただくことが出来たのです。日下公人さんは東大経済学部を出られた後、日本長期信用銀行の役員を経て、社団法人ソフト化経済センターの理事長をされる一方、多摩大学の大学院教授を務め、多くの自著や、竹村健一、渡部昇一、長谷川慶太郎、堀紘一、谷沢永一といった方々との共著も出されて、「未来を見通す慧眼」とも称された方でした。私も以前から「ソフト経済学」など、何冊を読ませていただいていたこともあって、まさか、自分が、そんな方とご一緒できるとは思ってもいませんでした。まさにこれこそ、「連れション効果」という他ありませんね。
明治記念館の入口
オフシーズンの庭
庭園ビアテラス鶺鴒(せきれい)
新宿区と港区の境界線にありました
関東連れション
秀吉と家康の連れション
澤昌平君(現・AOI Asia Thailand 代表取締役)
キメラフィルムスUK 社長・手塚義治さんの著書
ウェストミンスター寺院
日下公人さん
TBSブリタニカ社